莫妄想【まくもうぞう】

妄想することなかれ(莫=なかれ)

あれこれと、思い悩むことなく、今出来ることに集中せよ

という禅語です。


ああなったらいいな。

こうなったらいいな。


そう思う気持ちも分からなくはないけど

もうどうにも出来ないところまで来ても尚

あれこれと妄想するのではなく、今できることに

集中すれば、必ず出来ることは見つかるはずです。


昨日は、3女の高校の卒業式でした。


このコロナ渦の中、挙行出来たことだけでも有難いことなのかも知れません。

しかし卒業式も例外なく、保護者も一人のみ参加

会場内の全員がマスクをし、最後の校歌を歌うこともありませんでした。

正直、淡々と進む式に、感動の涙も流れそうにはありませんでした。


でも、卒業生が答辞を読み上げた瞬間

あちらこちらで鼻をすする音が聞こえました。


受験のシステムが変わるのに、その情報も詳しく入って来ず

平常心を保つのもなかなか大変な1年だったと思います。


ありとあるゆる行事が中止に追い込まれ

それでも子ども達は文句も言わず、体育祭が中止なら

応援団だけでも出来ないかと、校長室に掛け合った子

文化祭が中止なら、クラスマッチをしようと企画したり


親も見えないところで、今出来る精一杯のことに集中し

みんなで知恵を出し合って、自分たちなりの1年を創ってきました。


昨日はその集大成といっても過言ではなかったかも知れません。


受験で頭がいっぱいになっていましたが、子ども達は

年明けの緊急事態宣言により、最後の学年末考査がなくなるのと同時に

そのまま最後の授業もなくなり、卒業式を迎えたのです。


その無念を答辞で語ってくれた時、あちらこちらで涙がこぼれ始めたのです。


そしてよくぞ耐えたなと思うと、わが子だけでなく全ての子ども達に

大きな拍手を送っていました。


感動の涙も収まった頃、卒業生の合唱


本来なら、これも大きな声で歌ってくれたことでしょう。

しかし、大声を出してはいけないので、口ずさむ程度に

と事前に指導があったそうです。


でも、ここで子ども達は今の自分に出来る最大限の事をしてくれました。


数名の男子が、保護者席まで聞こえる声で歌ってくれたのです。

その声が一人、また一人と増え子どもたちなりの最高の卒業式に

自分たちでしてくれました。

ここでまた、涙腺崩壊です。


お父さんも数名来られてたんですが、泣いてらっしゃいました。

親もみんな不安だったんですよね。


子ども達の未来が、今の現状が不安で

この大事な時に子どもを守ってやれないのかという焦りや苛立ちもあったでしょう。


そんな親の想いを知ってか知らずか

子ども達は、出来ないことを嘆いて立ち止まるわけでもなく

今の自分に、高校生活最後の日に、何が出来るのか考え行動してくれた。


自分たちで何かをなし遂げようとするこの子達に、何の不安があるでしょうか。


止めずに見守って下さった先生方にも感謝しかありません。


この非常事態だからこその、最高の卒業式でした。


子ども達に、諦めない精神と、どんな状況にあっても

ないものを求めるのではなく、今の自分に出来ることを探し

行動することを、身を持って見せてもらえました。


<今日の禅語のまとめ>

【莫妄想 まくもうぞう】


壁にぶち当たった時、出来ないことを嘆いて立ち止まるのではなく

ああなったらいいな、こうなったらいいなと妄想するだけでなく

今この瞬間に、出来る最大限の事を考え行動に移そう。


その瞬間、妄想は、形は違っても現実になるから



禅的思考を実生活に取り入れたい方は禅タロット師養成講座がおすすめです。

親子関係の生き辛さを手放す禅タロット

禅の教えと禅タロットを使った、親子関係の生き辛さを手放すカウンセリングセッション Osho禅タロットを使えるようになるための、禅タロット師養成講座も開講中

0コメント

  • 1000 / 1000