悟無好悪【さとれば こうおなし】

人でも物でも、先入観を持たずに、あるがままを認めたら、好きも嫌いもなくなる

という禅語です。


ここでいう、「人」は自分自身も含まれます。

そして、わたしはこの禅語から、他人という外側の人や物よりも、まず自分に当てはめて考える必要があるのではないかと思っています。

人はいつから

 自分とはこういう人間だ 

 と、断定して認識するようになってしまったのでしょう。


なってしまったという書き方をするのは、大抵のひとが、自分をこういう人間だと決めつけて

可能性を狭めてしまっているように見えるからです。


可能性を狭めてしまっている根っこには、自己肯定感の低さがあると思います。


生き辛さを抱える人は、大人であれ、子どもであれ、自己肯定感が低いです。

自分の自己価値を低く、あるいは、ないものと認識していることがほとんどです。


この、自己肯定感の低さは

自分とはこういう人間である。だから〇〇が出来ない。

だからダメだ。もっと頑張らなきゃいけない。


そういう思いから出来ているのではないかと思います。


この、自分とはこういう人間である。

ということが今日の禅語にある先入観だと思います。


この先入観は恐らく幼い頃、または成長過程で無意識に出来上がったものでしょう。


周りの大人から

あなたは〇〇だから

と言われ続けたことがあるのかも知れません。


この〇〇に入るのは

お姉ちゃん・お兄ちゃんだから

妹・弟だから

長男・長女だから

男・女だから

ほかにも、優しい子だとか、気のきつい子だとか


まるで、それがいけないことのように

守らねばならないことかのように

出来て当たり前の事かのように

刷り込まれた先入観


人はみんな違ってみんないい

と言いながら、自分には正しさを課します。


そして、自己否定に陥る。


ありのままの自分では本当にダメでしょうか?


いいところも、悪いところもあるのが人間であると理解しながら

なぜ、それは自分には適用されないのでしょう?



以前、長女の離婚を友人に打ち明けた時

わたしは、あの子を守れなかった。そう言ったんです。


そうしたら、友人は目に涙をためながらも

あんた、自分がどんだけ出来た人間やと思ってんのん!!

と、肩をそこそこの力でグーパンチされました(笑)


わたしの悲しみを理解し、共感しながらも、それは違うと怒ってくれた。


自分はもっと出来るはずだ。

母親なら、何が何でも子どもを守らなければいけない。

まだまだ、もっともっと、と現状では足りないと思うわたしも

自己肯定感が低かったのです。



続けて友人は

親やからって何でもできると思うな

親やからって、絶対守れると思うな

あの子があんたに助けを求めなかったんなら、助けられなかったと勝手に罪悪感を感じるな


決めたのはあの子。それを尊重してあげるべきだ

守れなったというのは、本人の意思を尊重せず、親の思うままに子どもの人生を決めてしまうことだ

というような事も言われました。


人は自分の力を過信します。

いくらわが子が大事でも、出来ることには限度があります。

だから、頑張るのは良いけど、出来ないと自分を責めるのは違う。

彼女はそう言ってくれました。


今もまだ、もっと何かできたことはあるんじゃないか?と思うこともあります。

でも、もう自分を責めてはいません。


出来たことも、出来なかったことも、いいとこも、悪いとこも

全部自分自身で、ああこれがわたしなんだ

と、そう思います。


しなかったのと、出来なかったのは違います。


しないのが悪いわけではないけれど、した方がいいと思った事を、努力したのなら

結果出来なかった、ということは価値のないことでしょうか?


これが、わが子なら、他人なら

とても価値のあることだと言うはずです。


でも、人はそれが自分のことなら、ダメだと言います。


もう一度考えてみて下さい。

本当に自分はダメですか?

自分には価値がありませんか?


出来る出来ないではなく、そんな自分が好きとか嫌いではなく

あっちこっちに頭をぶつけながらも生きる、自分という一人の人間


愛おしくはないでしょうか?


親との関係性で生き辛さを抱えている方は、この生き辛さを手放すために、まず自分に


子どもとの関係性で生き辛さを抱えている方は、子どものお手本となるように、まず自分に


ありのまま、これでいい、と大きな丸をつけてあげて下さい。

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