松はまっすぐに育ち、いばらは曲がりくねって育つが、どちらがいいというわけではなく
二つともありのままでいいということ。
当たり前と言えば当たり前なのですが、人間という物は対照的なものを見ると比べたがる生き物です。
この禅語そのものを表すようなカードが、この禅タロットの「比較」というカードです。
同じ「植物」「木」であっても種類が違えば個性も違います。
決してどちらが上でもなければ、下でもありません。
でも、人は自分にはない「良さ」を他人に見つけると、それを羨ましがり劣等感を感じます。
そして、自分の持つ「良さ」が他人にはないと知ると、優越感を覚えます。
しかし、みんながみんな同じでは、この世の中は何の面白みもなくなってしまいます。
違いがあるからこそ美しく、面白く、その存在そのものが愛おしいのです。
子ども達も同じです。
同じ親から生まれ、同じように育てたはずなのに、全く違う性格に育ちます。
わが家は3女と末っ子が年子なので、まるで双子のように育ちましたが
正反対ともいえるほど、性格が違い、それが喧嘩の原因となることも、しょっちゅうです。
でも、だからこそ本人たちは、人との違いや距離を学んだり、親はその子の個性をどう活かすか
思考御錯誤しながら向き合います。
もしも、わが家の娘4人が、4人とも同じ性格であれば、わたしは何も学べなかったでしょう。
世の中は上手くできたものだと思います。
子ども達の個性が素晴らしいものであるように、植物の個性が素晴らしいものであるように
わたしたち1人1人の個性も素晴らしいものです。
劣等感も優越感も手放すことが、自分の良さを最大限に活かせることでもあります。
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