担雪填井【ゆきをになって せいをうずむ】

井戸を雪で埋めようとするような無駄な仕事。無駄な努力。

しかし、そんな無駄な努力が出来ることこそ大切である。


いずれ雪は溶けて水になるのだから、頑張って埋めても水かさが増えるだけで、井戸は埋まりません。

でも、その時はそれが一番いい方法だと思って、頑張って雪を運びます。

そして、やがて雪が溶け、水になり、雪では井戸は埋まらなかったと実感します。


一見無駄な努力に見えますが、雪で井戸は埋まらないことを知るための努力なら

必要な無駄な努力ではないでしょうか?



日々の小さな出来事から、大きな問題まで

これは、しなくてもいい苦労ではないのか?

と思うことがあります。


出来れば、日々穏やかに生きていきたいですし

毎日が、楽しく平和が一番だと、思わなくもない。


でも、この苦労・努力があったからこそ、という出来事は人生に溢れています。


特に子育てでは、そんなシーンが山のようです。


わが家の次女は高校1年生の時に完全に不登校になり、単位制の高校へ転校しましたが、こちらも半年ほどで行けなくなりました。

薄々、これは無理だな。と感じていたけど、娘が自分で辞める

と決めるまでじっと待ちました。

そして、2年目の12月に退学届けを出しました。


その時に先生が

せっかく頑張って通おうとしてくれたのに、何の力にもなれずに申し訳ありません

とおっしゃって下さいました。


次女本人も、2年間お金も掛かったのに無駄なことしてごめんね

と言いました。


先生にも娘にも言いましたが

学校へはほとんど通えず、卒業出来なかったけど、2年間学校に籍を置いてもらい、高校生であるという時間が、娘にとっても親にとっても必要な時間だったと、退学届けを出す時のわたしは確信していました。


彼女のその2年間の、一見無駄に見える高校生である時間から、わたしたち親子は本当の信頼関係を築けたと思います。


不登校のお子さんを抱えてらっしゃる親御さんは、決して怠けていないと分かっていながらも

何をしても状況が良くならないことに、本当は子どもは怠けて学校へ行かないのではないか?

という考えが頭をよぎります。


頭をよぎるのですが、違う。決して怠けてるわけじゃない。

と思い直し、わが子の苦しみに寄り添えない自分を責めます。


そんな無駄にも見える葛藤を繰り返し、苦しみます。

でも、もしそんな葛藤をあなたがするのであれば、それは必要なことです。


そんな葛藤を繰り返す間に、見えてくるもの、育っていくものがあるからです。


子どもも苦しんでいるということも、見えてくるものの1つでしょう。


わが家の場合

娘は

親に甘えても大丈夫

自分の人生、自分で歩いて行くという決心・覚悟


親は

子どもをまるまる信じて大丈夫

手を出さず、見守り、支えて行く環境

などです。


そういったものを、得るまでに2年間、高校生である時間が必要であり

その2年間があったから、先生もびっくりするぐらい親子して笑顔で退学届けにハンコを押せたのです。


言い方はおかしいかも知れませんが、2年間苦しんだから、すがすがしい気持ちで退学を決められたのです。

一切の後悔もなく。


そして、個人的にはこの不登校があったからこそ、わたしはこうして自分の経験が誰かのお役に立てないかと、発信することが出来ています。

この経験がなければ、支え合う仲間にも出会うことはなかったでしょうし

支えてくれる他人の愛にも気付かなかったでしょう。


そして、この葛藤をすっ飛ばして、早々と退学を決めていれば

娘との信頼関係も築けなかったでしょう。


今、しんどい方は、その気持ちをしっかりと自分で受け止めてあげて下さい。

そのしんどい気持ちを、1つ1つ味わうことだけを考えて下さい。


怠けてるのかも、と感じるのもOK


いやいや、違う。あの子は怠けていない。そんな風に思ってごめんね。

そう思う自分もOK


それが、今のあなたのに必要なことで、出来ることです。


必ず、この努力・出来事・期間が、無駄に見えて本当は意味のあった事だったと確信できる日が訪れますから。


綾子







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